不動産の評価をご依頼いただく際、大きく分けて2つに業務が分かれます。
どちらも不動産を評価するのは変わりませんが、下記のように分かれます。
①公文書である不動産鑑定評価の作成依頼←「不動産鑑定評価書」
②公文書ではない単なる調査報告としてのご依頼←「不動産調査報告書」「不動産査定書」等
どちらもあまり大差の無い成果品なのですが(詳細な調査報告の場合)、全く別物なので要注意で
す。
不必要な「鑑定評価」は料金が高いだけで全く無駄ですし、逆に「鑑定評価」がベターな場合で「調査報告」にしてリスクが発生してしますケースもあります。
このあたり、ご依頼者と不動産鑑定士の意思疎通と案件に対する理解が重要です。
判断基準は大まかに以下の通りです(公的評価・公共機関関連除く)。
【鑑定評価が適する又は必要な案件】
1.訴訟資料用
2.現物出資の証明
3.相続税申告時の不動産評価(財産評価より有利な場合)
4.相続税申告の更正の請求(鑑定評価を利用する場合)
5.評価額の高い不動産の同族間売買・交換(税務リスクの極小化をご希望の場合)
6.不動産の売買・交換(個人間売買で適正価格を把握し、将来の争いを避けたい場合)
7.その他法的に鑑定評価書が要求される場合
【調査報告が適する場合】
基本的には上記以外の案件。
以下例示。
1.個人、法人ご所有の不動産の資産調査
2.所有目的で不動産売買の際の参考用(単純に物件購入の意思決定の際)
3.投資不動産購入の際の意思決定の参考
4.税務リスクが低い同族間売買の参考
5.賃料改定や担保提供時等の交渉時に参考資料として使用する場合
5.費用対効果の側面から鑑定評価を取ることが無意味と判断できる場合
料金は、内容・案件が同じならばもちろん「鑑定評価」の方が「調査報告」よりもかなり高額です。
但し、調査報告でも投資不動産購入の意思決定の参考のための評価や賃料改定の交渉のための賃料の評価、ビル1棟及び敷地の評価等のような場合は、その作業量の多さ及び専門性の高さから通常不動産鑑定評価報酬が相当高いので調査報告としても料金はそれなりに高くなります。
上記のような案件を適正に処理する事が難しい報酬(例えば50,000円等)でご依頼された場合、それを請け負うとお客様に満足していただける成果品を作れませんので、当事務所では基本的に謝絶させて頂いております。
この点、報酬と成果品の質・量は比例するのが現実です。お客様のご要望が本当に簡易な調査書で良いという事で、しかもそのような成果品でもお客様のご利用目的に照らし必要だと判断できてこそ、初めてお仕事をさせて頂けるものと考えております。
最後に、個人のお客様からのご依頼だから「鑑定評価」によらず「調査報告」で良いとか、逆に法人のお客様だから「鑑定評価」が良いとか言う問題で、それらを区別するべきではありません。
重要なのは、第一に利用目的、第二に利用した場合見込まれる効果、第三に予算的な検討ではないでしょうか。
当方はお客様との意思疎通を最優先し、最適な方法をご提示させて頂き、ご満足頂ける業務をさせて頂けるように努力致します。
今後ともよろしくお願い致します。
不動産鑑定評価のご依頼、ご相談は⇒【tamai_office@yahoo.co.jp】
written by 玉井不動産鑑定士事務所
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